苔桃(コケモモ)の種類は?リンゴンベリーの栽培環境や育て方のコツを解説

皆様は苔桃という植物をご存知ですか?小さな赤い実を沢山つける常緑小低木です。北米や北欧で主に自生し、花も実も楽しめる人気の植物です。いくつか種類もあり今回この記事では主にリンゴンベリーについての栽培環境や育て方のポイントを解説していきますので、是非参考になさってください。


・苔桃(コケモモ)の主な種類

苔桃にはいくつかの種類があります。


□リンゴンベリー

リンゴンベリーは北欧諸国や北アメリカなどに自生する常緑小低木です。地面を這うように生育することから、その様子を苔に表して「苔桃」と呼ばれるようになりました。耐寒性に非常に優れ、岩場などの厳しい環境でも育つことができます。

花は白に薄桃色が少し入った釣鐘状の形をしています。秋になる赤い実は食用としてジャムやジュースとして楽しめます。


□クランベリー(ツルコケモモ)

クランベリーは北米が原産地のつる性常緑低木です。クランベリーの実は観賞用やジャムやソースとして食用でも重宝され、さまざまな楽しみ方が出来る樹木です。冷涼地の沼地で良く育ち、温暖地では食用としての栽培やそもそも生育がうまくいかない可能性があります。花は白く、鶴のくちばしに似た形をしていることから「Crane(鶴)」ベリーと呼ばれるようになったとも言われています。


□カマツカコケモモ

カマツカコケモモは台湾原産の這性小低木です。耐寒性、耐暑性があり、盆栽などに重宝されます。葉の形が苔桃(リンゴンベリー)に似ているため、カマツカコケモモと呼ばれるようになりました。実は鎌柄(カマツカ)に似ています。別名にハイシタンというものがあり、その名前の通り這うようにして枝を広げて育ちます。花は白く梅のような5枚花弁の可愛らしい花を咲かせます。


□シンジュコケモモ

シンジュコケモモは中米や南米が原産のつる性常緑小低木です。葉の形が苔桃(リンゴンベリー)に似ています。熱帯の植物なので、寒さが苦手です。また多湿を好みますので水切れには注意しましょう。インドアプランツとして楽しめます。真珠のような実を沢山つけ、白い実は徐々に薄紫色に変化しますので、その変化を楽しむことができます。原産地では木に着生しつるを伸ばしながら生育していきます。


・苔桃(リンゴンベリー)とは?

ここまでコケモモの名前を持つ植物を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?同じ名前を持っていてもさまざまな種類があり、とても面白いですよね。ここからは苔桃(リンゴンベリー)について詳しく解説していきます。


□苔桃(リンゴンベリー)の基本情報

植物名/リンゴンベリー

学名/Vaccinium vitis-idaea

英名/Cowberry,Lingonberry,Foxberry

科名・属名/ツツジ科スノキ属

原産地/北米、北欧、ユーラシア半島北部


□苔桃(リンゴンベリー)の開花時期・栽培時期

■植え付け時期 2-3月

真冬~春先の寒い時期に行うことで苔桃への負担を少なく植え付けができます。

■植え替え時期 2-3月

植え付け時同様に寒い時期に行います。春先に行うことで、根の活着がしやすくなるためです。鉢植えの場合は一回り大きな鉢に植え替えましょう。

■開花時期 6-7月

白い釣鐘状の花を咲かせます。同じツツジ科のアセビに似ているような花です。

■収穫時期 9-10月

直径1㎝程度の球形の実が秋頃真っ赤に熟したら収穫できます。ジャムやフルーツソースにして楽しみます。生食にはあまり向きません。


□苔桃(リンゴンベリー)の特徴

苔桃(リンゴンベリー)は、北欧や北米の森林地域に自生する常緑低木です。耐寒性が高く、マイナス40度以下でも耐えることができると言われています。樹高は10-30㎝程度でまとまり、地面を苔のように這うようにして広がることから苔桃と名づけられました。花は釣鐘状の白い花を咲かせ、可憐で小ぶりな姿はとても可愛らしいです。苔桃の実は真っ赤な実で大きさは1㎝程度と小ぶりです。味は酸味が強いので、生食するよりもジャムやシロップにする方が良いでしょう。生食した際にはほのかにりんごのような味・食感がします。


□苔桃(リンゴンベリー)の栄養価値、楽しみ方

リンゴンベリーにはビタミンや食物繊維が豊富に含まれています。ビタミンEを始めとしたビタミン類、カリウム、カルシウム、リンなどのミネラルも含んでいます。中でも取り分け注目するべきなのは、αアルプチンをという成分です。このαアルプチンは厚生労働省から美白成分として効果があると認められている成分です。シミの原因であるメラニンを作るチロシナーゼを抑制する効果や、血糖値やコレステロール値の上昇を妨げるといった効果があります。また、利尿効果や尿路殺菌作用があるので、膀胱炎の予防効果が見込めます。


・苔桃(リンゴンベリー)の栽培環境

ここからは苔桃(リンゴンベリー)の栽培に適した環境や用土について解説していきます。適した環境を用意することでより苔桃が元気に育ちます。


□日当たり・温度

苔桃は、耐寒性はありますが耐暑性は低く夏の高温多湿を嫌います。元々が高山植物であるため冷涼地に似た環境を作ってあげることが大切です。夏は風通しの良い半日陰に移動し、冬は日当たりの良い場所で管理してあげると良いでしょう。日光をすべて遮光することの無いように、夏の管理場所は注意します。


□用土

ブルーベリーなどと同じように苔桃も酸性の土壌を好みます。アルカリ性の土では上手に育たないので、水苔やピートモスなどを利用して酸性に土壌改良しましょう。市販のブルーベリー用の土もおすすめです。また多湿を嫌うので水はけのよい土にする必要もあります。鹿沼土や桐生砂などを混ぜ込んで水はけを良くしましょう。


・苔桃(リンゴンベリー)の水やり・肥料の与え方

ここからは苔桃(リンゴンベリー)の水やり・肥料の与え方について解説していきます。水やりや肥料もタイミングを学んで適切に行いましょう。


□水やり

苔桃(リンゴンベリー)は乾燥が苦手です。地植えでも鉢植えでも土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。季節によっては回数を変え、夏場は日が昇る朝方に一回、日が沈んでから一回の水やりをしてあげてください。


□肥料

苔桃(リンゴンベリー)は酸性の土を好み、水はけと水もちの良い土も好きです。ブルーベリー専用の培養土でも育ちます。そもそもは瘦せ地でも育ちますので肥料はあまり必要ではありません。春や秋に希釈した液体肥料を与えるだけで十分に育ちます。


・苔桃(リンゴンベリー)の育て方のポイント

ここからは苔桃(リンゴンベリー)の育て方のポイントについて解説していきます。植え付けの時期や方法、剪定のタイミングなど詳しく解説していきますので是非ご参考にしてみてください。


□植え付けの時期・方法

葉が良く茂っていて元気な苗を選びます。植え付けの時期は、地植えも鉢植えも初春の2~3月に行うと良いです。酸性の土壌を好むのでピートモスやブルーベリー用の土を使うと良いですよ。水はけと水もちの両方がバランスの良い土を好みます。水はけが悪い場合は鹿沼土や桐生砂、富士砂などを混ぜて水はけを良くしておくことが必要です。日あたりの良い場所に植え付けましょう。植え付け後はたっぷりと水やりをすることをお忘れなく。


□植え替え・鉢替えの時期

地植えの場合は基本的に植え替えの必要はありません。鉢植えの場合、3~4年に一回程度のペースで植え替えを行います。時期は植え付け時と同じ2~3月が適期です。今まで使っていた鉢より一回り大きな鉢を用意し、植え付け時と同じような土壌を用意して植え替えます。植え付け後は根に刺激を与えているので、たっぷりと水やりをしましょう。


□剪定のタイミング

苔桃(リンゴンベリー)は、基本的に剪定は必要ありません。横に広がるように成長し、コンパクトに樹形はまとまっていきます。しかし、伸びすぎてきた場合は伸びた枝の先端を縮めるように切っていきましょう。


□増やし方(挿し木)

苔桃(リンゴンベリー)は挿し木で増やすことができます。春の新芽の部分を使用します。今年延びた枝を5~10㎝切り取り、薄めた活力剤に30分~1時間漬けておきます。その後清潔な赤玉土に植え付けていきます。しばらく管理をし、根が生えてきたら鉢植えや地面に植え替えましょう。時期は新芽の時期の5~6月に行うのが適期です。


□害虫・病気対策

苔桃(リンゴンベリー)は基本的にどの病害虫もつきにくく、特に対策は必要ありません。


□まとめ

ここまで苔桃(リンゴンベリー)のことについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

・苔桃(リンゴンベリー)は北欧諸国や北アメリカなどに自生する常緑小低木です。耐寒性に非常に優れ、岩場などの厳しい環境でも育つことができます。赤い実は食用としてジャムやジュースとして楽しめます。

・非常に育てやすい植物で病害虫にも強く園芸が初心者の方でも楽しむことのできる植物です。

今回の記事を参考にして是非皆様も苔桃(リンゴンベリー)の栽培をしてみてください。

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