風鈴オダマキとはどんな植物?名前の由来や特徴、栽培方法など詳しく解説
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皆様は「風鈴オダマキ」という植物をご存知でしょうか?咲いた花は俯くように下を向いてまるで風鈴のような佇まいの可憐な山野草です。春に暮らしを彩ってくれる宿根草、風鈴オダマキが気になっている人に向けて、詳しく解説をしていきたいと思います。栽培方法や特徴などもご紹介していきますので、是非ご参考にしてください。
・風鈴オダマキとはどんな植物?
風鈴オダマキはキンポウゲ科オダマキ属の中国原産の宿根草です。草丈は30~60㎝ほどになり、4月~6月頃の春から初夏のお庭を彩ってくれる植物です。冬時期は地上部が枯れ落葉しますが、3月頃にまた芽が出てきます。
花は茎から項垂れたように下垂し、がく片(花の構造上最も下部にある部分)に包まれた花が風鈴のような出で立ちなのが特徴です。耐寒性がありますが、高温多湿な苦手なので夏のお手入れには注意が必要です。
・風鈴オダマキの名前の由来
オダマキは漢字で「苧環」と書きます。この苧環というものは元々機織りの際に使われていた糸玉のことを指しており、「苧(お)」という繊維を、中を空洞にして巻き付けた糸玉のことを「苧玉(おだま)」と呼んでいました。その糸玉に花の形が似ていると言われ、いつしか「苧環」と呼ばれるようになったのが由来です。機織りに関連して麻糸を紡ぐ道具の糸車にも似ていたことから別名「糸繰草」とも呼ばれています。
英名の「False Columbine」の「Columbine」には「鳩のような」という意味があり、通常のオダマキはその見た目から英名を「Columbine」と言います。しかし、オダマキと違い「距」という部分を持たない風鈴オダマキは英語名に距が無いことを表す「False」がついています。
・風鈴オダマキのおもな種類や品種
風鈴オダマキには色や花の形が異なる品種があります。オダマキという花は園芸品種の栽培が盛んに行われ、今ではオダマキ属の中では100種類以上の品種が存在していますが風鈴オダマキはオダマキ属ではなく、
その中で風鈴オダマキも色のバリエーションが豊富で矮性から高性のものまでさまざまあります。以下からは風鈴オダマキの代表的な品種の紹介をしていきます。是非ご覧ください。
□風鈴オダマキ
草丈は50~60㎝程度まで成長します。色は桃色や薄紫色などの色があります。一般的なオダマキと違い「距(キョ)」と呼ばれるとがった部分がありません。
□二色風鈴オダマキ
草丈は20~30㎝程度まで成長します。色は白や青紫、桃色などさまざまな種類があります。風鈴オダマキと同様に、距の部分がありません。園芸種として多くの流通があり、風鈴オダマキとミヤマオダマキとの交配種であるケースが多いです。
□乙女風鈴オダマキ
草丈は15~30㎝程度まで成長します。淡いほのかな桃色と白色で可憐な印象です。乙女の名を冠しているだけあり、可愛らしい人気の品種です。
・「風鈴オダマキ」と「オダマキ」の違い
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・風鈴オダマキの花言葉
オダマキの花言葉は共通して「愚か者」というものがあります。英名の「Columbine」は鳩のようなという意味のほかに、ヨーロッパの道化芝居に登場する娘の名前で、その娘の持つ盃に花が似ていることにもちなみます。「愚か者」というのはその道化芝居から来ているのですね。
風鈴オダマキには色別の花言葉があります。
紫色は「勝利への決意」
赤色は「心配して震えている」
白色は「あの方が気がかり」
色によって意味が大きく異なりますので、誰かに贈る場合は意味も調べておくと良いかもしれませんね。
・風鈴オダマキの上手な栽培方法
ここからは風鈴オダマキの育て方についてご紹介していきます。皆様が育てる際に是非参考にしてください。
□栽培環境や管理温度
鉢植えでも地植えでも栽培可能です。風通しのよく半日陰から日当たりの良い場所で栽培しましょう。ただし、夏の直射日光の厳しい季節や高温多湿は苦手なので、夏は一日中日の当たる場所は避け、午前中に日が当たる場所の方が望ましいです。明るい日陰が無い場合は寒冷紗などを利用して30%程度遮光してあげましょう。
□用土
水はけのよい土を好みます。市販の用土や山野草用の用土を使えば問題ありません。自分で配合する場合は、軽石と鹿沼土、桐生砂、赤玉土などを配合しましょう。庭土を使う場合は、軽石や腐葉土を混ぜ込んで水はけのよい土づくりを心がけてください。
□植え付け・植え替え
オダマキの理想的な植え付け時期は芽出しの前の2月~3月初旬です。オダマキは直根性のため根を触るのが苦手で移植をあまり好みません。なので、植え付ける際には鉢を崩さずに植えましょう。植え替えは2年に1回、もしくは1年に1回行います。一回り大きな鉢に移植させるか、そのタイミングで株分けをしてください。地植えで育てている場合には、増やすタイミングで株分けをします。植え替えや株分けする際にも、主根を傷つけないように気を付けましょう。
□水やり
基本的に、鉢植えの場合は表土が乾いたらたっぷりと水やりをします。庭植えの場合も表土が乾燥している場合株元にたっぷりと水やりを行います。夏は水切れに注意してたっぷり水をあげる必要がありますが、日中の水やりは避けましょう。冬も表土が乾いていたらお水をあげましょう。
□肥料
植え付け時に元肥を入れておきましょう。カリウムとリン酸が含まれている化成肥料を使用しましょう。地植えの場合は追肥など必要ありません。夏場は肥料焼けする可能性があるので、量に注意しましょう。
□花がら摘み
花が咲き終わったら花がらを摘みましょう。種を付けてしまうと種の方に力が取られて花が付きづらくなってしまいます。咲いた花の下にも蕾を付けますので、花がらを摘むときは注意をしましょう。
□収穫
花がら摘みをしなかった場合、種と果実ができます。その果実は6月頃に採取できます。種が中に入っているので、その種を栽培することが可能です。
・風鈴オダマキ栽培|年間作業カレンダー
種まき |
春先~5月まで 秋9月~10月 |
植え付け |
2月~3月頃 春先に |
植え替え |
3月頃 9月~10月 |
開花 |
4月~6月 |
花がら摘み |
5月~6月 |
庭植えの肥料 |
植え付け時の元肥を |
鉢植えの肥料 |
植え付け時の元肥・開花期に液肥 |
□風鈴オダマキの増やし方
■種まき
市販されている種を使用して増やす場合は、春2月下旬頃~4月初旬までに播種をしましょう。自分で採取した種を使用する場合は、採取したものは冷蔵庫で保存して次の年の播き時まで待ってから播種する方法と、採取してすぐ播く取り播きという方法があります。市販されている種まきの適期で問題無いです。
■株分け
株分けは春の芽吹き前に行います。株を掘り起こしたら、古い根茎を自然と分かれている部分を分けていきます。ハサミやナイフを使って根の量が十分になるように分けましょう。手で分けられる場合は手でも構いません。
・風鈴オダマキを育てるうえで気を付けたい病害虫
風鈴オダマキにつきやすい虫やかかりやすい病気について解説していきます。対処方法なども解説しますので参考にしてみてください。
□風鈴オダマキがかかりやすい病気
よくかかりやすい病気として、うどんこ病が一番に挙げられるかと思います。かびが葉の表面に広がり、白く粉をふいたような症状が出ます。風通しを良くし、日の当たる場所で管理をすることで発生を予防できますが、かかってしまった場合や全体に広がってしまった場合は重曹をとかした水を撒きカビを抑制しましょう。うどんこ病の他には軟腐病というものがあり、かかってしまうと根元から腐って枯れてしまいます。こちらもうどんこ病同様風通しの良い場所で管理することで予防ができます。
□風鈴オダマキにつきやすい害虫
ハダニ、アブラムシ、ヨトウムシが付きやすいです。どんな虫も見つけ次第殺虫剤で駆除しましょう。アブラムシの排泄物は病気を引き起こす原因にもなります。葉が食べられていたり、弱っていたりするように見えたら虫がいないかどうか観察してください。
・まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか?風鈴オダマキの魅力は伝わりましたか?
風鈴オダマキとは、キンポウゲ科オダマキ属の宿根草。オダマキの園芸品種で花色や形がさまざまな品種がある。
主な品種に、風鈴オダマキ、二色風鈴オダマキ、乙女風鈴オダマキなどがある。
オダマキとの違いは距があるかどうか。
風鈴オダマキは可憐な草姿が印象的な山野草です。近江庭園オンラインショップでは風鈴オダマキも取り扱っておりますので、是非ご覧ください。