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紫式部(ムラサキシキブ)の育て方|特徴や栽培環境・注意する病害虫など詳しく解説

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皆様は紫式部(ムラサキシキブ)という植物をご存知でしょうか?ムラサキシキブは初秋に鮮やかな紫色の小さな果実をつけ、秋に観賞価値の高い植物として人気の植物です。雑木林や山野に自生し、野趣溢れる姿が好まれています。

この記事ではムラサキシキブの基本情報や特徴、育て方のポイント、注意点などを詳しく解説していきます。これから育てたいと思っている方たちは是非参考にしてください。


・紫式部(ムラサキシキブ)の基本情報

ムラサキシキブの基本情報をご紹介いたします。

学名/Callicarpa japonica Thunb. ex Murray

英名/Japanese Beautyberry

科名・属名/シソ科ムラサキシキブ属 (クマツヅラ科で分類されることもあります)

別名/実紫(ミムラサキ)、米々(コメゴメ)

原産地/日本各地、朝鮮、中国

開花時期/6月~7月


紫式部(ムラサキシキブ)の特徴

ムラサキシキブはシソ科ムラサキシキブ属(クマツヅラ科ともいわれる)の落葉低木です。初秋に美しい紫色の実をつけ、葉の色は濃い緑から黄葉し、最後には実だけが残ります。実もやがて冬に落ち一年を通して季節感を味わうことの出来る植物です。

日本の雑木林や明るい林床に自生し、日本の気候にも耐え育てやすい花木です。美しい実の方が花よりも観賞価値が高いとされていますが、初夏にピンク色の小さな花が咲き、そちらも素朴な美しさを持っています。


・紫式部(ムラサキシキブ)の名前の由来・花言葉は?

ムラサキシキブという名前を聞くと皆様は「源氏物語」を書いた紫式部が思い浮かぶのではないでしょうか?名前の由来にこの日本文学史を代表する作家は関係があるのでしょうか?名前の由来と花言葉を詳しく解説していきます。


□名前の由来

ムラサキシキブの名前の由来は諸説あります。

ムラサキシキブは美しい紫色の実が玉のように生るので「玉紫(タマムラサキ)」と呼ばれていましたが、この紫の実が重なっている姿から「紫重実/紫敷実/紫茂実」(いずれもムラサキシキミ/シゲミと読む)と呼ばれるようになり、それが訛ってムラサキシキブに変化したと言われる説。

他の説ではその実の美しさを「源氏物語」を書いた作家の紫式部から命名し販売し始めたという説です。江戸時代初期にはまだ「玉紫/実紫」と呼ばれていたそうなので、商売上手な商人が木を沢山売ろうと有名な作家である紫式部の名を借りたのかもしれませんね。


□花言葉

ムラサキシキブの花言葉は「上品/聡明/愛され上手」などがあります。これらは紫式部の書いた「源氏物語」に登場する主人公の光源氏を連想されて言われるようになったとされています。また「聡明」という花言葉は、女流作家として活躍した紫式部の活躍や人物像になぞらえてつけられたものだろうと思われます。


・紫式部(ムラサキシキブ)とコムラサキの違い・似ている品種は?

ムラサキシキブには似ている品種としてコムラサキやヤブムラサキという植物があります。これらは似ている植物なのですが、ここではそれぞれの品種の違いと見分け方について解説したいと思います。


□コムラサキ

コムラサキはシソ科の落葉低木です。ムラサキシキブのように美しい紫色の実を付けます。

二つの違いは実の付き方と花の付き方、枝ぶりによります。

まずムラサキシキブは紫色の実の付き方がまばらです。それに比べるとコムラサキは実が密生してつき、ムラサキシキブが素朴な立ち姿に対してコムラサキは華やかな印象です。ムラサキシキブの園芸品種としてコムラサキがあり、よりコンパクトにまとまっています。他にも葉の鋸歯の付き方が異なり、コムラサキの方が葉の半分がギザギザとしています。

コムラサキはムラサキシキブとして販売されていることもあります。


□ヤブムラサキ

ヤブムラサキはシソ科の落葉低木です。こちらもムラサキシキブのように紫色の美しい実が生ります。ムラサキシキブとサイズはほとんど変わりません。実には少し毛が生えており、ムラサキシキブの実とは見た目が異なります。また実の付き方も異なり、ヤブムラサキは葉の下に実が付くのに対し、ムラサキシキブは葉の上に実が生りよく目立ちます。葉を触ってみると、ヤブムラサキは毛が生えているので触り心地が良いのに対しムラサキシキブは毛が無いためざらっとした質感です。


□オオムラサキシキブ

オオムラサキシキブはシソ科の落葉低木です。オオムラサキシキブはムラサキシキブの変種で、ムラサキシキブよりも葉が大きくて分厚く、花序も大きくなります。葉にも少し光沢があります。美しい紫色の実が付くという点は一緒なのですが、こちらは上記二種に比べると葉や樹姿が大きく異なります。

ムラサキシキブと比較するとオオムラサキシキブは見かけることが少ないです。


・紫式部(ムラサキシキブ)を育てる環境・用土は?

ムラサキシキブを育てる際にどのような環境で育てれば良いのか解説していきます。是非参考にしてください。


□置き場所(日当たり・温度)

ムラサキシキブは日なた~半日陰の場所で育てることができます。日陰地でも生育することはできますが、花付きが悪くなってしまうので、実付きを良くするためには日なたで育てることをおすすめします。耐暑性、耐寒性共にあり、特に夏越し、冬越しの心配をすることは無いですが、夏場の直射日光と西日は苦手なので葉焼けを起こさないように注意しましょう。


□用土

水はけと水もちの両方を兼ね備えた土が適しています。やや湿り気のある土を好みますので、赤土に腐葉土を混ぜたものなど、有機質の入った土が良いでしょう。地植えの場合はあまりに水はけの悪い土でなければ、植穴を掘ったところに腐葉土を混ぜ込んでおけば問題ありません。


・紫式部(ムラサキシキブ)の水やり・肥料の与え方

ムラサキシキブの水やり方法と肥料の与え方について解説していきます。是非参考にしてみてください。


□水やりのポイント

ムラサキシキブはやや湿り気のある土を好みますが、地植えの場合は根付いてからは毎日お水やりをする必要はありません。ただ乾燥がひどい時は、弱ったり枯れたりすることの原因になりますので、根元にお水をあげましょう。夏場は特に水不足が葉焼けの原因にもなりますので水切れに注意して水やりをしてください。


□肥料の種類・与える時期

ムラサキシキブには基本的には肥料は必要ありません。ですが、花後の2月~3月頃にお礼肥として油かすなどの有機肥料を与えると良いでしょう。


・紫式部(ムラサキシキブ)の詳しい育て方

ムラサキシキブのより詳しい育て方についてこれから解説していきます。ムラサキシキブをしっかり育てたい人


□苗の選び方

苗を選ぶときは葉の色をよく見るようにしましょう。黄色くなっていたり、茶色い葉が目立ったりするものは避け、緑が濃く美しいものを選んでください。萎れているものではなく枝先まで水が行き渡っているようなものは元気な苗といえます。


□種まき・苗植え付け

種まきをする場合は、紫の実から種を採取してそれを育てることができます。種が乾燥していると発芽がしにくくなってしまうので、実から種を取り出したらすぐに種まきを行いましょう。育苗ポットを用意して赤玉土や種まき用の土を使用します。乾燥に弱いので表面の土が乾いていたらたっぷりと水をあげましょう。種から育てたものが10㎝程度になったら育苗ポットではなく、地植えか大きめの鉢に移します。

苗植えをする場合は、2~4月か10~12月に行います。鉢植えにする場合は根鉢よりも1~2回り大きなものに植え、地植えする場合は日当たりの良い場所に植えます。根鉢を崩さないように慎重に植えましょう。種から育てた苗を使用する場合は、15㎝程度に成長したものを使用すると良いです。


□植え替え

2~3年に1回は植え替えを行います。2~3月の初春に行うと良いでしょう。鉢植えで育てていると根詰まりを起こしやすくなるためです。鉢から丁寧に掘り出し、古い根や土を1/3程度を目安に取って新たな鉢へ植替えてください。あまり大きさを変えたくない場合は同じ鉢を使用し、大きく育てたい場合は1~2回り大きな鉢を用意します。

植替えの前に水やりを一旦止めて鉢の土を乾燥させておくのもポイントです。


□手入れ・剪定方法

剪定の適期は冬の休眠期にあたる12~2月あたりです。剪定に耐える木ですので大きくなりすぎてしまっている場合は、余り極端な強剪定でなければ半分程度に切り戻しても構いません。古く太い枝を根元から剪定するとしなやかな樹形にまとまっていきます。また古く太い枝には花が付きにくいので、花付きが悪い場合もこのような枝を剪定しましょう。枝の途中で剪定するとそこから芽が出てだんだん樹形が乱れてくるので、すっきりとした樹形にしたいときは注意して剪定します。


□夏越し・冬越し

耐暑性、耐寒性もありますので、夏越し・冬越しについて特に作業は必要ありません。ですが、夏場に強い西日に当たると葉を落としてしまうことがあります。夏場の水やりには注意しましょう。基本的には地植えも鉢植えも寒冷紗をかけたり、屋内での管理をしたりなどといった管理はありません。


・紫式部(ムラサキシキブ)の増やし方

ムラサキシキブの増やし方について説明します。ご自分でムラサキシキブを増やしたい方は是非参考にしてみてください。


□挿し木

ムラサキシキブの増やし方のひとつに挿し木があります。元気な枝を挿し穂として選び10㎝程度切ります。市販の園芸用の土や赤玉土とピートモスを混ぜた挿し穂用の土を用意します。土に挿し穂を挿したら直射日光は避けた明るい場所で管理し、水やりもこまめに行います。発根し根が充実してきたタイミングで、鉢や庭に植え替えましょう。

2~3月に行う場合は前年の太い充実した枝を使用し、5月、9月頃に行う場合は当年枝の元気なものを使用すると良いでしょう。


□株分け

増やし方には株分けという方法もあります。こちらは根をなるべく傷つけないように掘り起こし、丁寧に株を分けます。根元と根が繋がっている部分を確認しながら切り離して再び植え直してください。そのあとはたっぷり水やりをすることを忘れずに。

適期は3~4月です。花が開花する前の季節に行うことを目安としましょう。


□種まき

種まきでも増やすことができます。秋の実が出来たら、実から種を取り出しすぐに育苗ポットに播種しましょう。乾燥が嫌いなので、種を取り出したらすぐに播いて水やりするのがポイントです。

上述にも種まきのことを書いた項目がありますので、そちらもご確認ください。


・紫式部(ムラサキシキブ)で注意する害虫・病気は?

ムラサキシキブに発生する害虫や病気について解説します。ムラサキシキブは基本的には害虫や病気は発生しにくいですが、中でもつきやすいものを紹介していきます。


□カイガラムシ

カイガラムシはさまざまな樹木に発生する有名な害虫の一種です。風通しの悪い蒸れた場所を好み、葉や茎に寄生して吸汁し植物を弱らせます。成虫になってしまうと貝殻のように殻で覆われてしまうので薬剤での対処が難しくなります。見つけたらブラシや手でこすり落としていきましょう。幼虫の状態でしたら殺虫剤でも対処できます。

カイガラムシが原因で他のウイルス病を引き起こすこともありますので注意です。


□うどんこ病

うどんこ病もさまざまな樹木で発生する有名なカビが原因の病気です。風通しや日当たりの悪い環境で発生しやすい病気で、白い斑点が葉の表面に現れ光合成を阻害してしまいます。殺菌剤を散布し、病気の葉は取れる範囲で取っておくと病気の拡大を防ぐことができます。


・まとめ

いかがでしたか?紫式部(ムラサキシキブ)の特徴や育て方について解説いたしました。ムラサキシキブは初心者でも育てやすく、夏や冬の管理も難しくありません。花が終われば美しい実をつけ、紅葉も楽しむことができ、四季折々の姿で私たちを楽しませてくれる植物です。

皆様もぜひご自宅でムラサキシキブを育ててみてくださいね。

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