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小さな季節のご提案

半夏生(ハンゲショウ)の上手な育て方|ポイントや注意点を特徴と合わせて紹介

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みなさまは半夏生(ハンゲショウ)という植物を知っていますか?半夏生は葉が半分白くなるドクダミ科の多年草で「茶花」としても古くから親しまれています。そんな半夏生を自宅で育ててみたいと思っている方に向けて、この記事では半夏生の上手な育て方について解説していきます。是非参考にしてください。


・半夏生(ハンゲショウ)とは

半夏生とは一体どんな植物なのでしょうか?ここからは半夏生がどんな特徴を持った植物なのか詳しく解説していきたいと思います。


□半夏生(ハンゲショウ)の主な特徴

半夏生は6月下旬~7月初旬頃に、白く細長い花穂が咲く時期に、葉の半分(表面)が白くなるドクダミ科の多年草です。繁殖力が旺盛で非常に育てやすく、日当たりの良い湿地などで太い地下茎を伸ばして群生していきます。その群生している様子は美しく、観賞用として庭園に植えられていることもあるほど。京都にある建仁寺には半夏生が有名な庭園があり、寺院建築と半夏生の美しい草姿のコントラストが楽しめます。古くから茶花としても親しまれており、季節を感じさせる植物の一つでもあります。

しかし、年々自生地は減少しており、地域によっては絶滅危惧種に指定されているところもあり、この先数が減ってゆくことが懸念されているのも事実です。湿地帯や水辺の減少で半夏生の自生に適した土地が減ってきていることが原因とされています。


□「半夏生(ハンゲショウ)」という名前の由来

半夏生の名前の由来は諸説あります。

  1. 半夏生は花の咲くころに葉の一部が白くなり、半分化粧をしたように見えることから「半化粧」と呼ばれるようになった。別名で「片白草(カタシロクサ)」とも呼ばれる。
  2. 夏至から数えて11日目を半夏生と呼び、この半夏生は農業の目安となる「雑節」のひとつで、この日までに田植えを終わらせるという目安になっていました。その頃に咲くのでこの名前で呼ばれるようになった。

どちらの説が正しいのかは解明されていませんが、いずれも日本の季節や美的な感覚が反映された名前ですよね。

ちなみに学名の「Saururus」は細長い花穂に由来し、ギリシア語でトカゲの尾という意味からつけられました。和名の由来とは異なりますが、確かにトカゲの尾に見えるような気もしますね。


□半夏生(ハンゲショウ)の花言葉

半夏生の花言葉には「内気」「内に秘めた情熱」があります。葉が白くなっていく半夏生に、本来の姿(葉の色)を隠すような内気さや内に秘めた思いを昔の人は汲み取ってこの花言葉を付けたのかもしれません。


・半夏生(ハンゲショウ)の基本情報

□詳細情報

園芸分類/草花(多年草)

学名/Saururus chinensis

英名/Chinese lizards tail

科名/ドクダミ科

属名/ハンゲショウ属

原産地/日本、中国、フィリピン

草丈・樹高/50㎝~120㎝

耐暑性/普通~やや強い

耐寒性/普通~強い

日照/日なたを好む

花色(花穂の色)/白

開花時期/初夏(6月下旬~7月初旬頃)


□育て方カレンダー

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

開花

植付植替

肥料


・半夏生(ハンゲショウ)の育て方のポイント

ここからは半夏生の育て方のポイントを解説していきたいと思います。これからご自宅で半夏生を育てようとお考えの方は是非参考にしてみてください。


□花と葉の特徴

半夏生はとても涼やかな見た目をした植物です。その特徴的な見た目は主に花と葉に現れています。花に花びらは無く、白色の花穂が立ち上がるように咲きます。葉は緑色から白色の美しいコントラストがあり、卵型、基部はハート型の形をしています。香りはドクダミに似た香りで、少し癖のある香りです。ドクダミ科の植物ですので、花も似ているのですね。花が咲くのと同時に葉が徐々に白くなり、花が終わると元の緑色に戻っていく不思議な特徴があります。


□選び方

半夏生を育てる前に選ぶコツは、元気な苗を見分けることです。これはどんな植物を育てる前にも共通することです。株元から茎がしっかりと上がっていてし丈夫そうなこと、葉に枯れや虫食いが少ないこと、これらは必ずチェックしましょう。


□日当たり(置き場所)

半夏生は日当たりの良い湿潤な場所を好みます。ただし直射日光がずっと当たる場所も葉を傷めたり、乾燥の原因になったりするので避けてください。半日陰でも生育することは可能ですが、よく日光に当てた方が葉の白い斑が美しく入ります。


□用土(育てる場所)

半夏生は元々湿地を好む植物です。株元が水に浸かっている状態でも育てることが出来るため、用土は水もちの良いものを選ぶことが必須です。水生植物用の土を選ぶことも良い方法でしょう。市販の草花用の土や赤玉土でも育てることは可能ですが、乾燥を防ぐために粘土質の重たい土を混ぜておくと乾燥の心配が少なくなります。睡蓮鉢や池の周辺で育てるのも良いでしょう。また水もちの良い田んぼの土、荒木田土などは栽培に適しています。

一つ注意なのは、水中で育てると葉の色の変化が見られません。水中化すると葉が小さくなりますが明るいグリーンは健在なので水中でも美しい状態で鑑賞ができます。


□肥料

鉢植え、地植え共に元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。希釈した液体肥料を土にまいておくのも良いです。春に追肥として月に一回のペースで緩効性化成肥料や油粕を土に混ぜ込むこともあります。ただし、窒素過多になると蕾を付けづらくなり、その結果葉に斑が入らなくなってしまうので注意が必要です。


□水やり

半夏生は乾燥が苦手な植物です。そのため水やりはこまめに行う必要があります。鉢植えで育てている場合は、鉢の受け皿に常に水が溜まっている状態にして土が常に湿っている状態を保ちます。受け皿の水を清潔に保つために皿の水はこまめに替えましょう。地植えの場合は表土が完全に乾かないように注意しながらこまめに水やりをします。


□植え付け

2~3月の暖かい気温の日が植え付けに適した季節です。新芽の出る直前が良い季節ですので、真夏や真冬などの極端な季節は避けましょう。株が大きな場合は地下茎を切り分けて株分けをしてから植え付けます。用土の方でも解説をしていますが、植え付け時の土は水もちが良く田んぼの土のような粘土質な土がおすすめです。環境に適応すると早いスピードで繁茂していきますので地中にブロックなどを用いて地下茎を抑え込むと範囲が広がりすぎません。


□植え替え

植え付け同様2~3月が適期です。環境が合うと一気に繁茂しますので適宜間引いていきましょう。また鉢植えの場合は根詰まりを起こす可能性がありますので、株分けを兼ねて植え替えを行うと良いです。その際は株よりも1~2周り大きな鉢を用意しましょう。


□増やし方

半夏生は環境に適応すると非常に旺盛に増えていく植物です。株分けをして同じように植え付けをすれば簡単に育てることができます。植え付けの季節と同様2~3月に地下茎を切り分けて土に植えます。


□害虫や病気対策

半夏生は非常に丈夫な植物ですので、目立った病気や害虫の被害はありません。


・半夏生(ハンゲショウ)を育てる際の注意点

上記で半夏生の詳しい育て方を解説してきましたが、ここでは育て方の重要なポイントをまとめていきます。このポイントを押さえておけばきっと上手に育てられますので、是非参考にしてくださいね。


□乾燥させないようにする

繰り返しになりますが、半夏生は湿地を好む植物です。水分を切らすことの無いよう、こまめな水やりや水もちの良い土を用意するなど、乾燥しないように育てていくということが大切です。


□冬場の寒冷地では寒さ対策をする

冬場は地上部の枯れる宿根草ですが、耐寒性がとても強い訳ではありません。冬場にとても冷え込み、霜が降りたり地面が凍ったりするような場所では不織布やワラなどでマルチングをして防寒対策を施してください。


・【参考】半夏生(ハンゲショウ)の葉が白くなるのは何故か?

半夏生の葉は花が咲くと白くなり、花が終わると緑に戻っていきます。なぜそのような性質を持っているのでしょうか?

半夏生はドクダミ科の植物で、体の構造がドクダミに非常に似ています。ドクダミの花と思われている白い部分は葉が変化した苞葉(ホウヨウ)という部分です。実際の花は穂状の部分のみなので、その花をより目立たせるという意味があります。半夏生もドクダミも虫媒花なので、受粉のためにその時期になると虫をおびき寄せる為に葉が白くなります。半夏生の場合は葉が苞葉までに変化しきれていないため、葉が白く変化していく構造になっているのです。

用土と肥料の項で解説いたしましたが、窒素過剰になると蕾が付かないため、花が咲かないと葉が白くなることは無いということなのです。


・まとめ

これまで半夏生の特徴や育て方についての解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

半夏生の育て方の重要なポイントは「水を切らさない」「葉を綺麗に白くするためには花をつけさせる」これらが上手に育てていくポイントです。

半夏生は非常に丈夫な性質で育てやすく、また茶花などにも使われる日本で古くから愛される植物です。是非皆様も半夏生を育ててみてくださいね。

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